「E4C」の音に関する(信用できない)インプレ

新製品であるだけに、音のインプレを書くのは少々怖い。
なにせオーディオ初心者&低音愛好者で、1年前までは(ひょっとして今でも)ドンシャリ上等のタコな耳である。ER-6iの良さに気付くのにも随分時間がかかった位だ(過去記事)。
しばらく後に、E4Cの音について一定の評価が下された時、これがとんでもなく的外れなインプレだったという恥ずかしい事態にもなりかねない。加えて言えば、いわゆる「エージング」が済んだ状態の音でも、多分ない。

しかし、E4Cの音を初めて聞いた時から、ずっとリフレインされ続けるこの心の叫びをエントリせずにはいられないのだ。
「E4C、サイコーです!!」と。
そんなワケで、以下、タコ耳なりの「Not分析的 But感覚的」なインプレを書いてみようと思う。

E4Cは、事前の数少ない情報では、E5Cに近い音であるとされていた。E5Cと言えばShureのEシリーズのフラグシップであり、低音大王ということでも有名なイヤホンである。
そんなワケで、ER-6iの低音に少々不満のあった私としては、「E4C=ER-6i並みのクリア度+低音」という勝手な期待をしていたのである。

そして、最初にE4CをiPodにつなげて音を出した緊張の瞬間。
ER-6iの時と違い、間もなくそれがまさに期待どおりの、いや期待以上の音だと気づいた。あくまで感覚ではあるが、「ER-6i以上のクリア度+低音+楽しさ」だな、と。それに「音が濃い」なぁと。音に厚み・勢い・きらめきのようなものが感じられる。
そして、期待どおりの低音。もちろんPlugのような「量だけ感」「出すぎ感」はなく、質量ともに満足のいく低音だ。これでもうEQ「Bass Booster」とはお別れだ。念願の「EQ無し」で全く問題なく、すごくいいバランス。
そして何より、お気に入りの色々な曲を聞いていると「楽しい」し「気持ちいい」のだ。思わず体がノってしまう、HD25-1を聞いている時のような感覚。

巷でよく言われている、「Etymoticは分析的でモニタリング向きの音、Shureは音楽を楽しむための音」という意味が、実感をこめて理解できた気がする。
今まで使っていたER-6iをことさらに「分析的」とか「楽しくない音」と思ったことはなかったが、E4Cを聞いてしまうと、いかにER-6iの音が「淡々とした」音であったかが分かってしまう。それくらい性格が違うのだ。
もちろん、これはどちらが優秀でどちらがダメだというものではなく、優れて個人の音の嗜好の問題だ。1製品ずつしか使っていないが、私はたぶん「音楽が楽しいShure派」の嗜好なのだと思う。

さて、漠然と「クリア度(たぶん解像度の意)が高い」と言ったところで、具体的なリファレンスが無ければ読者には伝わらない。だからということで、このインプレを書くにあたって、各種ジャンルでER-6iとE4Cの比較を試みた私である。
しかし、長時間の辛抱強いトライにもかかわらず、「そんな個々の楽器の音を細かに聞き分けられるような高尚な耳は持ってねーよ!」という逆ギレ気味の結論が導かれたのみだった。「お、この弦の震え感はE4Cだけかも!」と思ってER-6iを聞くと普通に聞こえる。あろうことかiPod純正イヤホンでも普通に聞こえてしまって妙にに落ち込んだり。
だから、そういう難しいのは後世の専門家に委ねることとして、ここでは単に「音のきらめき感」「音の粒々感」「音のエッジが立ってる感」が優れているという抽象的な理由を以って、「E4Cの解像度は高い」ということにしてしまおう。なんとも納得感ゼロな感じだが、当方、納得させる義務も能力もない。
一応、ER-6iやHD25-1と並行して聞く中で、明らかに「劣ってる」と感じることはなかったことだけは付言しておこう。

ぶっちゃけた話、地下鉄の通勤時等においては、そんな細かな解像度云々の違いはそれほど重要ではない気がする。このE4CもER-6iとほとんど変わらない遮音性を持っているものの、電車内の雑音等によって、室内で聞く時よりも細かい音は聞こえにくいはずだからだ。
そういう局面において、解像度よりも大事なのは、個人的には「低音」だと思っている。電車の音などで最もスポイルされやすいのが低音である以上、通勤時にも快適に楽しく音楽を聴くためにはやはりE4C位の低音が出ていることが(私にとっては)重要だ。
こんなことを言うと、「解像度が重要でないなら、E4Cじゃなくてもいいじゃん」と突っ込まれそうだが、これ対しては「い、いや見た目もE4Cのウリだからさ・・・」と弱々しく返しておく。

こんな感じで、「とにかく理論的にはよく分からないけど、イイ!」というE4Cのファーストインプレッションは、20時間以上使ってきた今に至っても変わっていない。当然ながら、エージングによる変化に気づくほどの耳ではないので、その辺は不明。強いて言えば特に変わった感じはない。
今は、毎日の通勤や残業時に音楽を聞くのがひたすら楽しいだけ。

どうやら音屋での取り扱いも始まったようだ。約2.5万円というプライスは、海外の安いサイトから買う場合の送料込みの値段とそれほど変わらない。
そこで「この音は2.5万円の価値があるか」という話になってくるのだと思うが、僕個人としては十分にその価値を見出すことができたと思う。
個人的な考えだが、次のような人にはこのE4Cをオススメできるのではないかと思う。
  • 高級イヤホンを持っておらず、かつ高級イヤホンに興味があるが、Etymotic ERシリーズは「低音が弱い」と言われているのが気になる低音好きの方
  • 高級イヤホンを持っておらず、かつ高級イヤホンに興味があり、ノリ良く音楽を楽しみたい方
  • ER-6iを持っているが、「ちょっと薄い」「もう少し低音が欲しい」と思っている方
  • イヤホンたるもの、見た目も重要。ER4シリーズに興味はあるけど、デザインがちょっとツライと思う方
逆にオススメできるのか分からないのが、既にShureのEシリーズを使っている方。
というのは、私はEtymoticからの移行なので、違いが分かりやすかったのだが、果たしてその「違い」はShureのイヤホンだったからなのか、E4Cだったからなのか、それは正直なところ分からないからだ。
一つエピソードがあって、先日知人のE2Cと私のE4Cを交換して聴いてみたところ、「あれ?E2Cも普通にイイじゃん」と思ってしまったのだ。じっくりは聴いていないので細かな違いは分からないが(もちろん、じっくり聴いても分からないわけだが)、特にE3C等を使っている人にとっては、実はあまり違いがない可能性はあるかもしれない。
これも後世のShure愛好家による比較レビューを待ちたいところだ。

長いだけでワケの分からないインプレになったが、最後に一言。
E4Cは私のイヤホン探索の旅の終着駅となるであろう。
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by i196 | 2005-05-26 04:03 | iPod
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